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エクセルで見やすいグラフ・きれいなグラフはこうして作る




エクセルで作る「見やすいグラフ」「きれいなグラフ」とはどのようなグラフでしょうか?

当サイトでは以前『見やすい表の作り方』について解説しましたが、表にはグラフが付きものです。
グラフがあることで、数値の差や変化などが視覚的に伝わることにより、資料を見る人が理解しやすくなります。

見やすい表を使った資料が、残念なグラフのせいで台無しにならないように、今回は「見やすいグラフ・きれいなグラフ」について考えます。

グラフを作成するうえでの注意点もあるので一緒にまとめておきます。

グラフを挿入する前に

見やすいグラフ・きれいなグラフを挿入する前に確認しておきたい最初のポイントが;

・ここでホントにグラフが必要か?
・内容を伝えるために適切なグラフの種類は?

ということ。


ここでホントにグラフが必要か?

表を見れば一目瞭然の資料に、あえて同じことを伝えるグラフはさほど意味を持ちません。
表かグラフか、どちらか1つにしておきましょう。

メインの表では「支店別の売り上げ一覧」を、グラフでは「その表をベースにした支店のシェア」をあらわす円グラフを、という組み合わせならば グラフの存在意義が大いにあると言えます。

また、資料の空きスペースを埋めるために同じ内容のグラフを並べるのはNGです。

適切なグラフの種類を選ぶ


グラフにはそれぞれ「得意分野」があります。
棒グラフが適切な場面で円グラフを使ってしまったり、折れ線グラフが適切な場面で棒グラフを使ってしまうようなミスも初心者にはありがちです。

グラフで表したいのは順位なのか、内訳構成なのか、推移なのか、推移比較なのか、といった 分析内容を確認すること はグラフ作成のテクニック以前の重要な事項です。


▲ドーナツグラフはプレゼン向き



見やすいグラフ・きれいなグラフとは

表の書式と色調を合わせる

グラフの色調は見やすいグラフ・きれいなグラフの重要な要素のひとつです。

ブランディングのしっかりしている企業ならば、コーポレートカラーがあるはずですので企業イメージに合った色を選ぶのもひとつの方法です。

ところで、下のような青をベースにした色調の表の横に「赤ベース」のグラフが入っていたらどうでしょうか?

資料の統一感という点では、やはりグラフも青ベースにしておいた方がよいでしょう。

作成したグラフをクリックすると、エクセルのメニューに「グラフツール」が表示されます。

その中には多くのデザインパターンがあり、好みのパターンを選択することができます。

ほんのひと手間かけるだけで資料全体の統一感をアレンジできます。

ちなみに、色をつかわない白黒ベースの表があるときに、左端のグレーベースのグラフを挿入すると、なかなかクールでかっこいい資料になります。筆者おすすめです。

グラフのレイアウト

さきほど紹介した「グラフツール」の [デザイン] タブのなかに「グラフのレイアウト」というセクションがあります。

この機能を使うと下のようなレイアウトもさほど苦労せずに作れます。


▲レイアウト2を使用、グラフの種類は「3-D円」、スタイル37
※3-Dグラフを採用するときの注意点はのちほど

ポイントはしっかり強調

もし、資料の中で強調しておきたいポイントがあれば、そこはしっかりと強調しましょう。
強調部分だけ色調を変えたり、「吹出し」などを使ってコメントを追加したりしましょう。


▲出席者の視線を意図したところに集められる

グラフの背景に関連画像を使ってみる

報道番組でよく見るのが、グラフの背景(プロットエリア)に関連画像を使う 手法です。

下のようなサンプルを作ってみました。

▲グラフの背景にいちごの画像を入れる

プロットエリアで右クリックして「プロットエリアの書式設定」から [塗りつぶし] → [図の挿入] から任意のファイルを選択します。
その際、背景画像は 透過性の数値 を60%くらいまで上げて、グラフの邪魔にならないよう薄めに仕上げます

このように関連画像を使うことで、何についてのグラフなのかが伝わりやすくなります。


効果的なグラフの使い方

そもそもグラフの役割は、データを視覚的により分かりやすく伝える ことにあります。

表を見ただけではイマイチ伝わりにくいなぁ、というときに効果的です。

下図は、横棒グラフを入れただけで視覚的に数字を捉えることができる一例です。

▲数字の差がわかりづらい


▲1位と2位に開きがあることが視覚的にわかる

この横棒グラフは、背景もプロットエリアも「塗りつぶしなし」、目盛りも削除して横棒だけを残しています。


バイアスには注意が必要

最後に、グラフを作成するうえでの注意点について触れておきます。

「グラフは魔物」なんて表現をされることもあるように、グラフは視覚的にデータを伝えやすいというメリットがある一方で、バイアスがかかってしまうリスク もあります。
バイアスとは、考え方や意見に偏りを生じさせてしまうことです。

例えば、折れ線グラフの横幅を変えるだけで、線の角度は急にもなだらかにもなります。
また、目盛りの最小値をゼロにするか一定の数値にするかによっても、そのグラフの表情は変わります。

上の段落で紹介した 3-Dグラフも、円に遠近がついたことで各要素の比率が視覚的に正しく伝わっているかと言えば、その点については疑問があります。
資料全体の伝えたい内容や、資料を見せる相手などTPOに応じた工夫が必要です。

意図的にグラフを見る人にバイアスをかけるというプレゼンのテクニックもありますが、私はあまり感心しません。
グラフの作成者は、過剰な演出にならない配慮が必要です。

以上で『エクセルで見やすいグラフ・きれいなグラフはこうして作る』は終わりです。

見やすい表とグラフでレベルの高い資料に仕上げましょう。
その他の関連記事と併せて、ぜひ仕事に役立ててください。

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