最近、エクセルを使って描かれた絵画がよく話題になります。
それらを見てみると、どれも 超絶技巧 が駆使された、普通の人には簡単に描けないような作品が多いようです。
でも、絵を描くってもっと簡単で誰にでも楽しめるはず。
そこで、h1r0-style.net からの提案は「エクセルを使って簡単に絵を描いて楽しもう!」。
今回用意したサンプルは『ドラえもん』。
赤ちゃんにもわかりやすいシンプルな形で構成されています。
『ミッフィー』や『アンパンマン』も、子供に好かれるキャラクターたちはみんなシンプルな形で描かれているのです。
今回は図形(オートシェイプ)を使って『ドラえもん』(の顔)を描く方法を解説します。
ぜひ気軽に挑戦してみてください。
エクセルで絵を描く!?
エクセルは表計算だけではありません。
資料作成などに必要な「図形描画ツール」がしっかり備わっています。そして、これが標準機能でもなかなかのスグレもので、それなりの絵が描けるのです。
図形描画ツールを使って絵を描く
メニューの [挿入] タブの中にある [図形] を使って『ドラえもん』を描きます。
図形の種類やサイズ、線の太さ、色(RGB)なども記載するので、手順にしたがって描いていけば 誰でも一定レベルの『ドラえもん』に仕上がりますよ。
※図形描画ツールは、Excel2003 以前のバージョンでは「オートシェイプ」と呼ばれていましたが、Excel2007 以降では「図形」となります。
ドラえもんの描きかた
頭部(青色部分)を描く
まずはドラえもんの頭、青色部分を描きます。
使う図形は「円/楕円」。
これを適当な大きさでエクセルシート上に描きます。
▲とりあえず適当に円を置く
図形上で右クリックして「サイズとプロパティ」を開いてサイズや線の調整をします。
※以降の目・鼻・口・首輪など、いずれもこの「サイズとプロパティ」の項目を明記します。
・高さ:6.03cm / 幅:6.35cm
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 1pt
・塗りつぶし:[単色] → [その他の色] とすすみRGBを指定します。
R:31 / G:164 / B:223
このとおりに寸法や色を合わせると下のようになります。
▲少し横につぶれた楕円が描けた
頭部(白色部分)を描く
つぎに『ドラえもん』の顔の白い部分を描きます。
青い部分と同じ要領で円を描きますが、今度は「フチ(線)なし」の円です。
寸法などは以下のとおり;
・高さ:5.11cm / 幅:5.53cm
・線の色:「線なし」
・塗りつぶし:単色の白
白い円ができるので、さきほど描いた青い円に重ねます。
※少し下にずらして重ねるのがポイント
▲点線部分に首輪が描かれます。
目(白目部分)を描く
『ドラえもん』のかわいい目を描きます。
白目部分と黒目部分がありますが、まずは白目部分を描いて目の位置を決めます。
同じサイズの円を2つ作ります。
・高さ:2.09cm / 幅:1.61cm
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 0.75pt
・塗りつぶし:単色の白
こうして作成された2つの円を顔に配置します。
▲2つの円をほんの少しだけ「ハの字」に配置するのがポイント
また、目の上には青い部分が少し残るように配置します。
目(黒目部分)を描く
つぎは黒目部分です。
黒目の中にさらに白い円を重ねているので、黒い円×2、白い円×2 を作ります。
・高さ:0.59cm / 幅:0.48cm
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 0.25pt
・塗りつぶし:単色の黒
・高さ:0.17cm / 幅:0.16cm
・線の色:単色の白
・線のスタイル:幅 = 2pt
・塗りつぶし:単色の白
黒と白の円の重ね方は、白い円を左上に寄せるイメージです。
▲左上にツヤが入る
さらに、ドラえもんの白目部分に配置します。
▲瞳が入った途端に命が吹き込まれる感じ
鼻を描く
鼻も黒目部分と同様に、ツヤ感を出すために小さな白い円を重ねます。
▲ピエロの鼻みたい
・高さ:0.91cm / 幅:0.86cm
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 1pt
・塗りつぶし:[単色] → [その他の色] とすすみRGBを指定します。
R:255 / G:28 / B:25
・高さ:0.29cm / 幅:0.28cm
・線の色:単色の白
・線のスタイル:幅 = 2pt
・塗りつぶし:単色の白
赤い円と白の円の重ね方も、白い円を左上に寄せるイメージです。
出来あがった鼻を 目のすぐ下に配置します。
首輪と鈴を描く
鼻を入れたら首輪と鈴を描きます。
口を描く前に首輪を描いた方が、口を描くときにバランスをとり易いのです。
そして、首輪ではじめて [正方形/長方形] を使います。
・高さ:0.58cm / 幅:4.52cm
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 1pt
・塗りつぶし:[単色] → [その他の色] とすすみRGBを指定します。
R:255 / G:28 / B:25
▲ベルト部分ができた
つぎに『ドラえもん』のアイコンともいえる鈴ですが、3つのパーツに分かれています。
▲輪郭(円)と中央出っ張りと割れ目パーツ
・高さ:0.95cm / 幅:0.95cm(真円です)
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 0.25pt(細い!)
・塗りつぶし:[単色] → [その他の色] とすすみRGBを指定します。
R:255 / G:240 / B:69
▲こんな真円ができます
つぎに、中央の出っ張り部分には [角丸四角形] という図形を使います。
角丸四角形を適当に配置して、黄色いハンドルを右にドラッグすると角が丸まります。
▲黄色いハンドルを右に引くと角がより丸くなる
サイズや色は以下のとおり;
・高さ:0.13cm / 幅:1.16cm
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 0.25pt(細い!)
・塗りつぶし:[単色] → [その他の色] とすすみRGBを指定します。
R:255 / G:240 / B:69
↓ こんなパーツが出来れば成功!
最後は鈴の割れ目部分。
この部分は「直線」もしくは「矢印」を使います。
・高さ:0.29cm / 幅:0.05cm
・塗りつぶし:単色の黒
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 0.75pt
矢印の始点か終点のどちらかを「円形矢印」にします
すると下の絵のようになります。
最後に3つのパーツを組み合わせて、首輪のベルト部分に配置します。
さらに顔パーツの下部に配置します。
▲配置のポイントは赤丸部分です。
顔パーツのフチと首輪の角がちょうど合うように 配置します。
口を描く
口のパーツは、鼻から下に伸びる直線パーツと、口をあらわす「円弧」パーツの2つを組み合わせます。
まずは直線パーツから;
・高さ:1.77cm / 幅:0.02cm
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 0.75pt
パーツが出来たらさっそく鼻の下に配置します。
▲ゴールは近い!
つづいて、口の円弧パーツです;
・高さ:3.36cm / 幅:4.82cm
・線の色:単色の黒
・線のスタイル:幅 = 0.75pt
上の条件を設定したら、黄色いハンドルを調整して下図のようなカーブにします。
最後に口の直線パーツと合わせます。
▲直線パーツと円弧パーツがぴったりくっつくように
ヒゲを描く
最後に直線パーツを使って 6本のヒゲを配置して完成です。
一番上のヒゲ:1.32cm
二番目のヒゲ:1.4cm
三番目のヒゲ:1.48cm
多少の寸法の差は問題ありませんが、差が大きいと顔の印象が変わるので注意してください。
また、ヒゲが顔の青い部分に入らない方が『ドラえもん』らしいです。
▲『ドラえもん』の完成!
図形のグループ化をして仕上げる
図形のグループ化とは
仕上げとして「図形のグループ化」について触れておきます。
ここまでの工程でたくさんのパーツを作ってきましたが、いつの間にか(ミスタッチなどで)パーツの位置がずれてしまうとショックが大きいですね。
「図形のグループ化」とは複数の図形の組み合わせをグループ化して一つの図形のまとまりとして扱う機能です。
図形のグループ化の手順
メニューの [ホーム] タブにある「検索と選択」から「オブジェクトの選択」をクリックします。
ドラえもんを囲むように全体をドラッグすると、ドラえもんのすべてのパーツが選択された状態になります。
▲ドラえもんを包むようにドラッグ
▲すべてのパーツが選択された
すべてのパーツが選択された状態で右クリックして「グループ化」をクリックします。
すると、ドラえもんが1つの図形のようにグループ化されます。
▲グループ化された
これで更なる完成形になりました。
自分好みに調整しても楽しい
『ドラえもん』の描き方、としてここまで書いてきましたが、色も輪郭もサイズ感も自分好みに調整してみても楽しいです。
顔の青い色も、今回は原作やアニメに忠実な色を再現しましたが、多少オリジナリティを出してもよいと思います。
▲頭を横長にして輪郭線を消して、色を変えて目や鼻のサイズも変えて。。。それでもやっぱり『ドラえもん』
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