今回は「絶対参照」をピックアップします。
絶対参照には ショートカット が存在しますが『絶対参照はショートカットで設定するもの』と言っても過言ではないくらい作業効率という点で ショートカットは重要です。
また、「絶対参照」の対義として「相対参照」がありますが、この両者の 違い についても解説します。
「絶対参照ってナニ？」と思った方、絶対参照の機能を知っているとメンテナンス性の高い資料が作成できるのでぜひ最後までご覧ください。
絶対参照とは
絶対参照とは、参照するセルの位置を常に固定する、文字どおり絶対的に特定のセルを参照させることです。
詳しくは次の「絶対参照と相対参照の違い」で述べますが、数式が入力されたセルをコピーしても コピー先のセル位置に関係なく参照するセルの位置が常に変わらない状態を指します。
数式バーの中のセル位置の表示方法も「A1」ではなく「$A$1」のように「＄マーク」で表されるのが特徴です。
絶対参照と相対参照の違い
絶対参照と相対参照の違い についてサンプルをつかって見てみましょう。
下の表は、ある商品の販売実績を表にしたものです。 D列の「売上」は、B列とC列を掛け合わせた結果の数字です。
これはよくある 相対参照 です。
セルD3 の数式を下の行にコピーした時に、数式の中で参照されるセル同士の位置関係が同じ（相対的にずれていく）ことを指します。
一方、絶対参照 は下の表のようなパターンです。
数式を下方向にコピーしても 参照されるセルの一部（セルB2）が固定されていて相対的にずれていかない「絶対的な参照」をすることを指します。
▲すべての数式でセルB2を参照している
絶対参照のショートカット
絶対参照の設定方法ですが、ショートカットキー を使うのが断然便利です。
いちいち数式バーに「＄」マークを手入力する必要はありません。
さきほどの絶対参照のサンプルを使って説明します。
セルC5に数式を入力する場面です。
まずは、セルに「＝B2」と通常どおり入力します。
▲ふつうに「B2」を指定
この状態で、ショートカットであるキーボードの F4キーを押下するだけ で数式バーの値が「＝$B$2」に変わり絶対参照が設定されます。
▲ショートカットの F4キーだけで絶対参照が設定される
あとは数式を完成させます。
下のサンプルの場合、セルB2は絶対参照 ですが セルB5は相対参照 となるので、数式を下の行にコピーするとセルB2の参照は固定されたまま、セルB5の部分は一行ずれてセルB6を参照するようになるのがそれぞれの特徴です。
行のみ・列のみ絶対参照の切り替え
また、絶対参照には 列のみを絶対参照にしたり、行のみを絶対参照 にすることができます。
例えば、セルB2を絶対参照にする場合、F4キーを押す回数によって；
のように、列行固定 ＞ 行のみ固定 ＞ 列のみ固定 ＞ 絶対参照解除 の順で切り替わります。
資料上の数値どうしの関連性によって上手く使い分けてください。
絶対参照の一括設定
参考までに、絶対参照を一括設定する方法にも触れておきます。
オートフィルを使う
連続するセルに絶対参照を設定する場合は、オートフィルを使うだけで簡単に設定できます。
下の例の場合、セルC5のフィルハンドルを下方向にドラッグすることで簡単に絶対参照を含んだ数式が一括設定されます。
▲フィルハンドルを下方向にドラッグ
置き換え機能を使う
対象セルが点在している場合は、置換機能を使ってもいいです。
メニューの「ホーム」タブにある「検索と選択」をクリックします。
サブメニューの中にある「置換」をクリックしてセルの表記を置き換えます。
▲一括で絶対参照に
『エクセルの絶対参照 ショートカットと一括設定の方法』は以上です。
絶対参照は正しく使いこなせないと、なんともメンテナンス性の低い「手のかかる資料」になってしまいます。
他の関連記事とあわせて仕事や趣味に役立ててください。
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