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現代における腕時計の役割を考えてみる|時計のコラム






わたし以外にも多くの人がなんとなく感じていると思うのですが、時計、とりわけ腕時計は「刻(とき)を知るための道具」としての役目を終えつつあるのではないでしょうか。

携帯電話が普及し、この10年ほどは iPhone の誕生から始まるスマートフォンの爆発的普及によって、多くの人の手元にはいつでも時刻を知ることが出来る「別のツール」が存在するようになりました。

そして最近は、Apple Watchに代表される「スマートウォッチ」なる見た目は時計、されど腕時計にあらずといったデバイスも登場しています。
現にわたしの子供たちは腕時計を欲しがりません。「スマホがあるから」と。

腕時計ってそんなものでしょうか?

今回の h1r0-style.net は、そんな腕時計の役割について考えてみます。


スマホに食われない腕時計の需要

落ち込まない腕時計の販売数

実は、腕時計の販売数はスマホの普及とはさほど関係なく伸び続けています。
というか一時的に陰りが見えたかと思いきやすっかり元の軌道に戻った感があります。

出典:一般社団法人 日本時計教会

上のグラフを見る限り、むしろ最近は上昇傾向のウォッチ生産量。
スマホの生産量は年間およそ10億台とも言われていますが、実は腕時計の生産量も10億個超なのです。

つまりこれは、腕時計には「刻を知る以外の役割」が確実に存在し、しかもその役割を必要としている人も決して少なくない、ということを証明しているのです。

年に一度、世界中の時計メーカーが新技術と新商品をお披露目する「バーゼル・フェア」*が毎年盛況なのも、好調な市場を反映している証でしょう。

*バーゼル・フェア
スイスのバーゼルで毎年3月から4月頃に行われる世界最大の宝飾と時計の見本市のこと

現代の腕時計に求められる役割

そもそも腕時計ってどのようなモノとして捉えられているのでしょうか?

「時を知る道具」と捉えている人だけならば、上のグラフのような現象は起きないでしょう。

「ステイタスを示す道具」
「アクセサリー」
「小さな精密機械としての収集アイテム」

他にも色々あるとは思いますが、要は「ブランド」「高級感」そこから生まれる「収集欲」。
このような捉え方をする方々にとっては「いま何時か?」はあまり関係なく、違う次元の魅力に惹かれ腕時計を支持し続けているのでしょう。

ステイタスを示す道具?

腕時計のなかには、一般的なサラリーマンでは到底手が届かないような超高級品が存在します。

繊細で複雑な機構を搭載したモデルは安価に製造することはできないため、そのコストは販売価格に反映します。
さらにブランドという付加価値が乗っかることで凡人には手の届かない価格になってしまいます。

また、文字盤やベゼルやベルトにきらびやかな宝石をまとわせることによって、その価格が跳ね上がる腕時計もあります。

そんな腕時計を手に入れ身に着けているということは、それなりの身分や収入をわかりやすく周囲に証明する道具になり得るのです。

アクセサリー(ファッション)として

ファッションの一環で、身に着けるおしゃれな小物として、スマホとは別の次元で腕時計を愛用するファンもたくさんいます。

いわゆる「時計屋さんの時計じゃない時計」が役割を果たしているカテゴリーですね。

つまり、セイコーだとかロレックスといった時計メーカーではなく、ムーブメントは時計メーカーのものですが、ケースや文字盤・ベルトがファッションブランドが作った腕時計などです。

価格も比較的手ごろで、若い人でも購入しやすいといった特徴があります。


小さな精密機械

わたしは機械式時計が好きですが、いくつもコレクションするほど実入りがありませんのでコレクションはさほど多くはありません。

そして、それだけではなくTPOに応じて「ローテク」の腕時計を身に着けて楽しむこともあります。
カシオの「データバンク」が最近のお気に入りローテクウォッチです。(そのうちブログにあげます)

こんな私も時刻を知るために時計を購入しようとはしておらず、メカ好きとして「小さな精密機械」を手に入れる喜びを味わい楽しんでいる一人です。

この記事の冒頭でも触れていますが、腕時計が「刻(とき)を知るための道具」としての役目を終えつつあるのではないか、いやすでに終えているのではないかとさえ感じるほどに腕時計を身に着けている毎日です。

お気に入りの腕時計を見つけよう

さて、ここまでいろいろと書き連ねてきましたが、腕時計は市場的にもまったくスマホの影響を受けておらず、独自の役割を確立していることがわかりました。

腕時計は決して高級品ばかりではないので「スマホがあるから」とは言わず、腕時計を手に取ってお気に入りの一本を見つけてもらいたいものです。

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