「機械式時計」と聞いて、「え?時計ってどれも機械でしょ」と思われた方、いらっしゃいますか?
たしかに、大きなくくりでは時計はどれも機械です。
でも、時計の世界では大きく「機械式」と「クオーツ」とに分けられています。
ちなみに、前回の記事の「オメガスピードマスター」は機械式腕時計です。
今回は、時計屋ではない私、h1r0が、素人時計ファンとしてのアプローチで 機械式とクオーツの違い について解説します。
あなたに最適な腕時計はどちらのタイプでしょうか。
機械式とクオーツ
では、両者はなにが違うのでしょうか?
特徴的な違いをひとつずつ説明するので時計選びの参考にしてください。
動力の違い
最初の違いは「動力」です。
機械式腕時計はゼンマイで動き、クオーツは電池で動きます。
機械式は手巻きならば毎日「時計(ゼンマイ)を巻く」という「儀式」を行います。
これを「愉しい」と感じるならば機械式(手巻き)をオススメします。
愛機と「今日も1日ヨロシク」と、コミュニケーションの時間です。
「面倒くさい」ならば少なくとも手巻きの線はなくなります。
機械式でも「自動巻き」の場合は、時計を毎日着けて行動する方なら「巻く」儀式はありません。
しかし、2日も放っておけば時計は止まってしまうので、その場合はゼンマイを巻いてあげる必要があります。
その点、クオーツは「巻く」必要はないものの、動力の電池が切れれば「電池交換」が必要になります。時計屋さんにレッツゴー(死語?)です。
電池切れの場合は、前ぶれなく止まるので「えええー!?」となる時もありますが、そこはご愛嬌。かわいい愛機のイタズラです。
時計選びでは「動力の違い」は重要なポイントです。よく考えましょう。
「音」の違い
機械式はゼンマイが解ける力を利用して多くの繊細なパーツを動かします。
腕時計に耳を当てると、「チチチチチ」と早いペースの音がするのが特徴です。(もっと耳を澄ませると、「シャカシャカ」と多くのパーツが動いている繊細で複雑な音が聞こえます!お好きな方はぜひ)
クオーツはというと、耳を当てた時の音は、「チッ チッ チッ」と機械式に比べるとゆったりしたテンポで音がします。
秒針の動きの違い
機械式の秒針の動きは滑らかです。
一方、クオーツの秒針の動きは1秒ずつ刻みながら動くのが特徴です。
「音」と「秒針の動き」の2つの違いは、いずれも最初の特徴である「動力の違い」により生まれた特徴です。
精度の違い
精度の違い、と書いてしまうとなんとなく時計を評価する決定的な差として捉えてしまいがちですが決してそうではない、とはじめに書いておきます。
その上で説明すると、機械式時計はたとえ高級品であっても1日に10秒程度の狂いが生じます。(おおむね進む傾向にあります)
対してクオーツは年に数10秒、といった素晴らしい精度です。
この誤差を嫌う方はクオーツ1択となりますし、「味」と捉えるならば選択の巾は広がります。
寿命
機械にも寿命はあります。(メーテルの嘘つきっ)
クオーツ式時計の寿命はおよそ10年と言われています。
もちろん持ち主の使い方次第ですが、個体差もあったりします。
「当たり外れ」ってヤツです。
一方、機械式の寿命はメンテナンス次第で何十年も使い続けることができます。
「父親から譲られた、、、」なんて話、機械式腕時計にはよくある話です。
私がロレックス(エクスプローラⅠ)を購入した時も、ショップからは数年に一度のオーバーホールを薦められました。
今年で10年目ですが、全く問題なしです。
前回の記事で取り上げたオメガスピードマスターも、かれこれ購入後20年以上になりますが、エクスプローラ同様に元気です。
装着シーン
「寿命」にも影響を与える部分ですが、装着シーンにも違い(向き不向き)があります。
機械式は、その構造の複雑さ、繊細さから激しい運動には適していません。
腕を振り回したり、衝撃のある運動をする際は機械式腕時計は外しましょう。
機械式腕時計を着けてバッティングセンターなんて行かないでくださいね。
クオーツはその点でタフです。
多くのスポーツシーンでアスリート達の腕にクオーツ(特にデジタル)時計が着けられているのを目にします。
違いはあれど
ここまで読んでくださった方はお気づきかと思いますが、機械式とクオーツとの間には意外なほど明確な違いがあります。
これまで腕時計を購入したことがない方の「初めての腕時計」には、シーンを選ばないクオーツをオススメします。
2つめ以降は「着替える」ことを想定しつつ、機械式も含めて検討されてはいかがでしょうか。
最後に
機械式腕時計は歴史も古く、様々な時計ブランドがプライドをかけた時計をいくつも世に生み出しています。
また、ステイタスや芸術性も兼ね備えているので「趣味性」も高いものが多いです。
一方、クオーツの歴史は機械式に比べるとまだまだ浅く、1969年にセイコーが実用モデルを世に出して以来です。
そうです。クオーツは日本がパイオニアなのです!(実用化という点において)
量産がきき、低コストで精度の高い時計が世に出たことでクオーツ時計は一時大ブームになりましたが、今では機械式とうまく使い分けられている気がします。
スマートフォン全盛の昨今ですが、世界の時計市場は伸び続けているということも記しておきます。
機械式であれクオーツであれ、みなさんが「コレだ!」と感じた時計が愛機です。
「スマホがあるからいいや。」じゃなくて、時を知ること以外の時計の魅力にぜひ触れてみてください。
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